高麗人参はたくさん地中から栄養分を吸収して育ちます。一度高麗人参を栽培した場所では、6年以上も作物を栽培できないほどです。高麗人参の持つ栄養素は多岐にわたり、なんと98種類もあるのです。ビタミン、ミネラル、アミノ酸など体を健康に保つために補いたい成分がたくさん含まれており、高麗人参が万能薬と呼ばれるのもこれらの体にうれしい成分を豊富に含んでいるためと考えられます。これらの栄養素の中で特に重要なものをまとめてみました。
ビタミンやミネラル
働き | 含有量 | |
---|---|---|
鉄分 | 赤血球のもとになり、貧血を改善する | プルーンの84.5個分 |
亜鉛 | 細胞を作るのに不可欠な成分。 不足すると皮膚炎や免疫異常、味覚障害などの症状を引き起こす |
青ピーマンの35.5個分 |
カリウム | 塩分を排出して血圧を改善する | りんごの7.6個分 |
カルシウム | 骨の原料となる | ホウレンソウの2.9束分 |
マグネシウム | 血圧改善や血液サラサラ効果 | セロリの18.6本分 |
ビタミンB1 | エネルギー代謝に不可欠 | ニンジンの2.7本分 |
体の健康維持のために積極的に、毎日継続してとっていきたいビタミンやミネラルが、高麗人参には野菜と比べて非常に豊富に含まれています。高麗人参粉末と他の野菜100gに含まれている栄養素の量を比較して、以下の表にまとめました。
※参考:日本食品分析センター調べ(高麗人参粉末100g)と「食品成分表2010本表編」女子栄養大学出版部(その他の野菜)を比較
有効成分
健康に有効な成分も豊富かつ多種含まれており、主なものにサポニンとアルカロイドがあります。
サポニン(ジンセノサイド)
サポニンとは、糖とサポゲニンが結合した化合物であり、豆や植物の根に含まれています。高麗人参に含まれているものでは現在27種類のサポニンの構造が解明されています。2つのグループに分けられており、オレアノール系サポニンであるR0、ダンマラン系サポニンであるRb1、Rb2、Rc、Rd、Rg3、Rh2、Rg1、Rg2、Rh1といったサポニンがあります。これらサポニンそれぞれの効能も研究されてきており、
- 糖や脂質の代謝を促進する作用
- 酸化物質に対抗するアンチエイジング効果
- タンパク質の合成を促進して新しい細胞が作られるよう刺激する作用
- 末梢の血管を拡張して血液や酸素の循環を良くする作用
- 血小板が固まるのを防ぎ、血栓を溶解する作用を促進して血液をサラサラにする作用
- 血圧の上がり下がりや動悸といった自律神経症状に対する作用
- 脳虚血の時の神経細胞保護効果
- ストレスホルモン(副腎皮質コルチゾール)の合成を防ぐ
- 甲状腺ホルモンバランスの改善
- 免疫力を強化する作用
といった多様な作用が明らかになりました。
アルカロイド
アルカロイドは窒素を含む天然の有機化合物の一種で、多くの場合塩基性(アルカリ性)を示します。多種の植物から抽出され、有名なものにモルヒネやニコチン、カフェインなどがあります。毒性を示すこともありますが、医薬品として古くから使用されてきました。高麗人参に含まれるアルカロイドには
- 酸化を防止し老化に対抗する抗酸化、アンチエイジング効果
- マクロファージとBリンパ球を活性化する免疫を高める効果
- ストレスで傷ついた細胞を修復する効果
- ホルモンバランスを整え自律神経を安定させる作用
といった効果が期待できます。
このように、高麗人参にはさまざまな効能を持つ体に必要な栄養素や薬効成分が、種類豊富に含まれています。日々の健康をサポートするために、高麗人参を日々摂取する習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。