高麗人参を摂取して調子が悪くなったらどうする?

高麗人参には生薬としての高い効果があります。
生薬等を使ったときに、一時的に症状が悪化したり体調が悪くなったりすることを好転反応(漢方用語では瞑眩)といいます。これは病気や症状の原因に対して生薬が働いて、病毒を破壊し排泄するために起こる症状だと言われています。症状は様々で、ほてりやだるさ、発汗、下痢その他予想もつかないような形で現れることもあります。好転反応は一時的なもので、その後症状が改善していくための過渡期と考えられるため、そのような場合は高麗人参を続けて飲む方が良いでしょう。
しかし、高麗人参が体に合わなかったときの症状と好転反応は区別して考え、体に合わない場合は摂取を中止する必要があります。ここでは、好転反応の特徴と高麗人参の副作用について紹介します。

好転反応とは

好転反応とは漢方医学の考え方で、薬に対する体の反応として、効果が出る前に一時的に症状が悪化したり体調が悪くなったりする反応のことです。漢方や生薬について西洋医学や生理学的な研究が進められてきていますが、この好転反応について、どうしてこのような反応がおこるのか、そのメカニズムはまだわかっていません。その特徴や医学的な根拠といったものは現在も研究の途中ではっきりとした学問的な根拠はありません。

好転反応の特徴

2014年に発表された論文で、143人の漢方薬を飲んだ患者さんについてのデータを解析したところ、そのうち7.7%の人に好転反応とみられる症状が現れました。症状の特徴としては、飲んですぐ症状が出ることが多く、42%の人が服用を始めた日に,79%は3日以内に症状が現れました。症状が続いた期間は35%が服用を始めた当日だけで,63%が3日以内には症状が落ち着いたということでした。また症状の39%は瞑眩と判断しにくい症状でした。

この研究結果から考えると、好転反応は高麗人参を摂取し始めた当日から3日以内に起こり、症状が出た日から3日以内には症状が落ち着くことが多いということがわかります。また、症状に関しては人によって様々で、この症状が出たら好転反応だと簡単に判断することは難しいです。

好転反応と区別したい副作用

高麗人参は自然の生薬で食品でもあるので、副作用がおこることは少ないです。
しかし、高血圧や心臓病、糖尿病の薬との相互作用があり、薬が効きすぎたり効果が不十分になったりすることは考えられます。持病があり、薬を内服している人は、かかりつけの医師に相談してから高麗人参を摂取するか決めた方が良いでしょう。特にワルファリンを飲んでいた患者様で、高麗人参摂取による大きな副作用が報告されているので心臓の病気がある人は注意してください。
また、作用が穏やかな生薬ではありますが、大量に摂取すると作用が強く出すぎてしまいます。健康のためのサプリメントなどは説明書をよく読んで、量を確認して摂取してください。

好転反応がおこったら

好転反応か副作用かの判断を付けることは症状からは難しいです。症状がおこって2日程度様子を見ても症状が治まってこない場合や、徐々に症状がひどくなる場合には、いったん高麗人参の摂取を中止して医師に相談してみてください。
また、一時的に摂取量を減らして様子を見てみるのも手です。

副作用がおこったら

高麗人参を飲んでいて、明らかに副作用を疑うような症状や、ひどい体調不良の症状が出た場合には、高麗人参を摂取するのをすぐに止めて医療機関の受診をお勧めします。

まとめ

高麗人参は食品であり、副作用も少ないため、安全に健康な生活を送るために使用することができます。好転反応はすぐにおさまる症状ですから心配せずに飲み続けてみて良いでしょう。ただし、持病がある方は薬との飲み合わせの問題もあるので医師に相談が必要です。また、好転反応のような症状でも長く続く場合には違う病気などが隠れていることも考えられますから、3日~1週間ほどしても症状が治まらない、または悪化する場合には、摂取を止めて医療機関に相談して下さい。

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